基本分類
- 和名
- ユキウサギ(日本国内に分布する亜種はエゾユキウサギ)
- 学名
- Lepus timidus(日本産亜種は Lepus timidus ainu)
- 分類
- ウサギ目(Lagomorpha)ウサギ科(Leporidae)ノウサギ属
- 狩猟鳥獣としての区分
- 獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種(獣類20種)の1種。 都道府県によっては捕獲が禁止されている場合や捕獲数が制限されている場合がある。 近年の個体数減少を踏まえ、地域や年度によって捕獲に関する取り扱いが変わる可能性がある。
生態
- 分布
- 種としてのユキウサギはフェノスカンジア(北欧)からシベリア東部まで広く分布し、アルプス山脈、アイルランド、ポーランド、イギリスにも孤立個体群が存在する。 日本国内には亜種エゾユキウサギが北海道に分布し、平野部から亜高山帯まで広い範囲に生息する。 北海道全道での生息密度は低く、100haあたり5〜6頭程度と推定されている。
- 生息環境
- 北海道の平野部から亜高山帯にかけての森林・林縁環境に生息する。
- 体サイズ
- 頭胴長50〜60cm、尾長5〜8cmで、日本に分布する野ウサギの中では最も大きい。 体重は1.6〜3.95kg程度。 耳は近縁種に比べて相対的に小さく、寒冷地での放熱を抑える適応と考えられている。 足裏は毛で覆われ、積雪上でも滑りにくい構造になっている。
- 活動時間
- 主に夜行性だが、冬季は日中の活動が増加する傾向がある。 昼間は隠れ場所で休む。 冬季の調査例では一夜の行動距離が320〜1,831mに達したという報告がある。
- 食性
- 春から夏は広葉樹の葉や草本類を、秋から冬にかけては木本類の芽や樹皮を食べる。 特にカラマツ・カンバ類などを好み、逆にブナやカツラなどはあまり食べない傾向が報告されている。 積雪期には雪の下を掘って根や樹皮を採食することもある。
- 行動特性
- 単独性で、母親は授乳時以外は子と距離を保ち、恒常的な群れ・つがい関係を形成しない。 警戒心が非常に強く、最高時速80kmで走ることができ、これは日本の陸生野生哺乳類の中で最速とされる。 夏毛は灰褐色〜茶色だが、冬毛は耳の先端(セピア色)を除いてほぼ純白になる。 この白化は主に日長(光周期)の変化によって引き起こされ、気温・積雪はその修飾要因とされる。 換毛期は秋(9月下旬〜12月上旬頃)と春(3月下旬〜6月上旬頃)。 近年は生息環境の縮小や捕食圧の増大により個体数が減少傾向にある。
狩猟情報
- 猟期
- 本種は北海道にのみ分布するため、北海道の猟期区分(標準狩猟区域で10月1日から翌年1月31日まで)が適用される。 猟期・規制は都道府県(北海道内の地域)により異なるため、必ず自治体の最新情報を確認すること。
- 主な猟法
- ビーグル等の猟犬を用いた巻き狩り猟や、くくりわなによる捕獲が伝統的に行われてきた。 くくりわなは、クマ・イノシシ・シカ以外の獣類に対しては、輪の直径が12cmを超えるものや締付け防止金具を装着していないものの使用が規制されている。
判別ポイント
ノウサギ(ニホンノウサギ)との違い:ユキウサギの方が大型(頭胴長50〜60cm)で、両種は北海道と本州以南で分布が重ならない。 冬毛はユキウサギがほぼ全身白化するのに対し、ノウサギは積雪地の個体群のみ部分的に白化する。 ナキウサギ(ナキウサギ科・別科、保護上重要)とは体格差が大きく混同は基本的に生じない。 渡島大島・松前小島に定着している移入種アナウサギ(ウサギ科アナウサギ属)とは、地下に恒常的な巣穴(ワーレン)を掘るかどうかで区別され、ユキウサギは雪面や地表の窪みを利用し恒常的な巣穴は掘らない。
人との関わり
- 農林業・生活被害
- 針葉樹・広葉樹の多くの樹種の幹先端や樹皮をかじる森林被害が報告されており、特にカラマツ・カンバ類などが好んで食べられる一方、ブナ・カツラなどはあまり食べられない。 対策としてはかじられにくい樹種の植栽や忌避剤の散布が挙げられるが、生息密度自体が低いため、樹木への食害防止策が優先される傾向がある。
- 利用
- ウサギ類の肉は脂肪が少なく淡白な味わいで、日本でも古くから食用とされてきたが、これは主にノウサギ全般に関する文化的背景であり、エゾユキウサギに特化した現在の食用利用の実態については確認できていない。
- 豆知識
- 時速80kmで走ることができ、日本の陸生野生哺乳類の中で最速とされている。 冬毛の白化は気温や積雪よりも主に日長(光周期)の変化によって引き起こされると考えられている。
出典
- ウィキペディア「ユキウサギ」(取得日: 2026-07-04)
- 北海道立総合研究機構 林業試験場・緑化樹センター「ユキウサギ」(取得日: 2026-07-04)
- ウィキペディア「エゾユキウサギ」(取得日: 2026-07-04)
- 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04)
猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。
被害と対策
ユキウサギによる農業被害は主に高冷地での農作物への食害です。 冬季に樹皮剥ぎによる果樹や林木への被害、春季の新芽や若葉への食害、高冷地野菜(キャベツ、ダイコン等)への被害が報告されています。 また、林業では植林した苗木への食害や、樹皮剥ぎによる成木の枯死も発生しています。
年間被害額:約0.8億円データ年度:2023年度
出典:
農林水産省「野生鳥獣による農作物被害状況」林野庁「森林被害調査」北海道「鳥獣被害実態調査」
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