ハントレ
マイページ
診断・図鑑
トレーニング
シェア
ハントレ
テン
哺乳類 ・ 狩猟鳥獣

テン

樹上の俊敏なアクロバット

基本分類

和名
テン(本州・四国・九州に分布する亜種はホンドテン、対馬に分布する亜種はツシマテン)
学名
Martes melampus
分類
哺乳綱 食肉目(ネコ目)イタチ科 テン属
狩猟鳥獣としての区分
獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種(獣類19種)の1種。 ただし対馬に分布するツシマテンは国の天然記念物(1971年指定)かつ準絶滅危惧(NT)で、狩猟鳥獣の指定から除外されている。

生態

分布
本州・四国・九州に自然分布し、日本固有種と考えられている。 人為的な移入により北海道南部・中部および佐渡島でも生息が確認されている。 対馬にはツシマテンが分布する。
生息環境
低山地から亜高山帯の針葉樹林・広葉樹林(自然林・二次林)や、渓流・河川の周辺を好む。 樹洞や岩の隙間を巣とし、建物の床下・屋根裏を利用することもあり、樹木があれば人家周辺にも出没する。
体サイズ
頭胴長おおむね40〜55cm、尾長15〜23cm、体重0.9〜1.9kg程度で、雄がやや大型。 数値は測定方法・個体差・出典により差があるため目安。
活動時間
冬眠せず一年を通じて活動する。 活動時間帯については資料により見解が分かれ、「昼夜を問わず活動する」とする記述と「夜行性」とする記述の両方があり、統一見解は確認できていない。
食性
雑食性。 ネズミ類・リス・鳥類・爬虫類・両生類・昆虫のほか、ヤマグワ・マタタビ・サクラ・ヤマブドウなどの果実も採食し、季節や環境に応じて食物を柔軟に変える。
行動特性
繁殖期を除き単独で生活し、群れは形成しない。 強い警戒心を持ち、後脚立ちで周囲を見渡す「目蔭(まかげ)」と呼ばれる警戒行動が知られる。 鋭い爪と柔軟な体を活かした優れた登攀能力を持ち、樹上を軽快に移動する。 夏毛は体が茶褐色で顔と脚が黒色、冬毛は黄褐色で顔が白色になるなど毛色の季節変化が顕著。

狩猟情報

猟期
全国標準は11月15日〜2月15日、北海道は10月1日〜1月31日とされる。 年度・地域により延長や変更があり、猟期・捕獲規制は都道府県により異なるため、必ず自治体の最新情報を確認すること。
主な猟法
わな猟(箱わな・くくりわな)が中心的な捕獲手段とされ、銃猟も可能。 網猟による捕獲実態は確認できていない。

判別ポイント

イタチとの違い: テンの方がやや大型(頭胴長45cm前後)で、足跡もテンが3〜4cm、イタチが2〜3cmとやや異なる。 ハクビシンとの違い: ハクビシンは鼻筋に白い縦線があるが、テンにはこの縦線がなく全体に茶色・黄色系の毛色。 アナグマとの違い: アナグマはずんぐりして脚が短く目の周りが黒褐色なのに対し、テンは細長くスマートな体型。 夏毛(体が茶褐色・顔と脚が黒色)と冬毛(黄褐色・足先が茶褐色・顔が白色)で見た目の印象が大きく変わり、毛色の個体差(黄色みの強い「キテン」〜黒褐色の「スステン」)もあるため、季節をまたいだ判別には注意が必要。

人との関わり

農林業・生活被害
カキ・ミカン類など果樹の食害、養鶏場・ニワトリ小屋への侵入・捕食、家屋(屋根裏・床下)への侵入による騒音・断熱材の損傷・糞尿による悪臭などが報告されている。 ただしテン単独の全国被害金額の公表データは確認できていない。
利用
冬毛の毛皮(キテン)は古くから高級毛皮として珍重されてきた歴史がある。 ジビエ(食用)としての利用は一部で試みられているが、食味等に関する知見は乏しく、一般的な利用文化とは言えない。
豆知識
「テン獲りは二人で行くな」という言い伝えは、毛皮の商品価値の高さゆえに分け前をめぐる諍いが起きかねないという意味とされ、動物自体の攻撃性を示すものではない。 日本の民話ではキツネ・タヌキを上回る化け上手「九化け」として語られ、奈良・正倉院にはテンのミイラとされる「虹龍」が伝わる。

出典

  1. 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04
  2. Wikipedia「テン」(取得日: 2026-07-04
  3. Wikipedia「ホンドテン」(取得日: 2026-07-04
  4. 猪熊アラヌー「GISで学ぶ野生動物・鳥類の生態:ホンドテンの生態」(取得日: 2026-07-04
  5. 国立環境研究所 侵入生物データベース「ホンドテン」(取得日: 2026-07-04
  6. 一般社団法人日本有害鳥獣駆除・防除管理協会「テンってどんな動物?」(取得日: 2026-07-04
  7. 鳥獣被害対策ドットコム「テンの生態・被害の現状・対策」(取得日: 2026-07-04
  8. 農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」(取得日: 2026-07-04
  9. マイナビ農業「狩猟できる期間は11月15日〜2月15日 冬はジビエの季節!」(取得日: 2026-07-04

猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。

識別クイズで見分け方を練習できます。