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タシギ
鳥類 ・ 狩猟鳥獣

タシギ

湿地の堅実なハンター

基本分類

和名
タシギ(田鴫)
学名
Gallinago gallinago
分類
鳥綱 チドリ目 シギ科 タシギ属
狩猟鳥獣としての区分
鳥類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種の1種。 シギ科でこの指定を受けているのはヤマシギとタシギの2種のみであり、外見の似た近縁種(オオジシギ・タマシギなど)は非狩猟鳥獣(保護対象)である。

生態

分布
砂漠や高山帯を除く北半球の高緯度地域(ユーラシア大陸・北アメリカ大陸)で繁殖し、冬季に低緯度地域へ渡る。 日本では西日本・南日本を中心に冬鳥として、北日本では渡りの途中に立ち寄る旅鳥として記録される。
生息環境
水田、ハス田、湖沼畔、河川、内陸の湿地など、湿地環境に幅広く生息する。 和名「田鴫」は水田によく現れることに由来する。
体サイズ
全長約27cm(ヒヨドリ大)、翼開長約43cm、体重約73〜153g。 雌雄同色。
活動時間
半夜行性。 主に夜間に採食するが、日中は草陰にじっと隠れていることが多い。
食性
動物質を中心とした雑食で、湿地や浅水中の泥に嘴を刺し込みミミズ・昆虫の幼虫・小型の甲殻類を食べるほか、植物の種子も食べる。
行動特性
単独で生活するのが基本で、10羽前後の小規模な群れを形成することもあるが、恒常的な社会集団ではない。 体の上面はクリーム色・黒色・褐色が入り混じった複雑な斑紋を持ち、地面にじっと伏せることで保護色として機能する。 異変を感じるとまず物陰に隠れてじっと動かず、周囲に溶け込む行動をとる。 危険が迫ると「ジェッ」としわがれた声で鳴きながらジグザグに飛翔して急に飛び立つ、隠伏と俊敏な逃避を組み合わせた警戒行動を特徴とする。 4〜7月の繁殖期には地上の乾いた草陰や藪の窪みに営巣し、3〜4卵を産む。 抱卵からふ化後の巣立ちまではそれぞれおよそ20日前後とされる。

狩猟情報

猟期
全国標準は11月15日〜2月15日、北海道は10月1日〜1月31日とされる。 猟期・規制は都道府県により異なるため、必ず自治体の最新情報を確認すること。
主な猟法
銃猟(装薬銃・空気銃)。 網猟は人が操作する網に限られ、わな猟は鳥類の捕獲には全国一律で使用が禁止されている。 タシギとヤマシギは合算して1日当たり5羽までに捕獲数が制限されている(猟区の区域外)。

判別ポイント

ヤマシギ(狩猟鳥獣・別種)との違い: ヤマシギはタシギよりずっと大型(ハト大)で、頭部が「オニギリ型」で体に対して大きい。 頭頂部の縦線や背の3対の黄白色の線はなく、嘴は頭部の幅の2つ分以上と相対的に長い。 オオジシギ(非狩猟鳥獣)はタシギより大きく、嘴がタシギより太く短め。 タマシギ(非狩猟鳥獣・別科=タマシギ科)は目の周囲に黄味を帯びた白斑があり、肩から胸にかけて白い切れ込みが目立つ(本種は一妻多夫制でメスの体色がより鮮やか)。 ヒクイナ(非狩猟鳥獣・別科=クイナ科)は嘴が黒く、上面は暗褐色で顔〜胸・足は赤褐色、翼は黒地に白い横縞がある。 タシギの一般的な特徴は嘴が非常に長く、嘴の付け根からほおにかけて縞状の斑があり、全体が褐色で淡褐色や黒褐色の細かい模様を持つこと。 判別に自信が持てない場合は捕獲を見送ることが誤認捕獲防止の観点から推奨されている。

人との関わり

農林業・生活被害
農林水産省が公表する野生鳥獣による農作物被害状況の統計において、タシギは主要な被害種として計上されておらず、農林業被害の報告は一般的でないと考えられる。
利用
フランス料理で「ベカシーヌ」と呼ばれ、ヤマシギ(ベカス)より一回り小さいジビエとして珍重される。 国内でも狩猟鳥のジビエ料理の食材として扱われる例がある。
豆知識
「タシギ(田鴫)」の名は水田に生息することに由来し、「ヤマシギ(山鷸)」が主に林内を生活の場とするのとは対照的な命名になっている。 保護色を生かして直前まで動かず、危険が迫ると初めてジグザグに飛び立つ習性から、「見つけにくい野鳥」の代表格として紹介されることもある。

出典

  1. Wikipedia「タシギ」(取得日: 2026-07-04
  2. 環境省 生物多様性センター「第6回自然環境保全基礎調査 鳥類 タシギ」(取得日: 2026-07-04
  3. 環境省「ヤマシギ(越冬期)調査マニュアル」(2016年3月)(取得日: 2026-07-04
  4. 環境省「狩猟鳥獣の見分け方 ~誤認捕獲の防止のために~(一部改定版)」(取得日: 2026-07-04
  5. 環境省「参考資料2 狩猟鳥獣の保護を目的とした狩猟期間の制限、捕獲規制及び猟法の制限」(取得日: 2026-07-04
  6. 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04
  7. 農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」(取得日: 2026-07-04
  8. バードウォッチwing「天然迷彩柄タシギ、どこにいるかわかりづらい!その特徴とは」(取得日: 2026-07-04

猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。

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