基本分類
- 和名
- シマリス(狩猟鳥獣としては本州以南で野生化した個体群が対象。北海道在来亜種はエゾシマリス)
- 学名
- Tamias sibiricus(北海道在来亜種はエゾシマリス Tamias sibiricus lineatus、本州等で野生化しているのは主にチョウセンシマリス Tamias sibiricus barberi とされる)
- 分類
- 哺乳綱 ネズミ目(齧歯目)リス科シマリス属
- 狩猟鳥獣としての区分
- 獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種(獣類20種)の1種。 特定外来生物ではなく、環境省・農林水産省の「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されている。 北海道では、野生化したシマリスと在来亜種エゾシマリスの識別が困難なため、エゾシマリス保護の観点から捕獲そのものが禁止されている。
生態
- 分布
- 自然分布域はロシアのほぼ全域(西部を除く)、サハリン、千島列島、カザフスタン北部、モンゴル北部、中国東北部、朝鮮半島。 北海道在来個体は亜種エゾシマリスで、北海道全域と利尻島・天売島・焼尻島・礼文島などに分布する。 一方、ペット由来のチョウセンシマリス等が本州(新潟・山梨・岐阜など)で野生化して定着しており、北海道でもエゾシマリスとの交雑が懸念されている。 分布可能な緯度帯は北緯29度〜69度と非常に広い。
- 生息環境
- 低地から亜高山帯までの様々な森林、森林周辺の開けた環境、市街地の公園にも生息する幅広い環境耐性を持つ。
- 体サイズ
- 体長130〜160mm、尾長80〜124mm、体重50〜120g程度。 頭部は灰色から赤茶色を帯び、背中に縦縞模様が入ることが和名の由来。 タイワンリスやニホンリスよりも明らかに小型。
- 活動時間
- 昼行性。
- 食性
- 樹木や草の種子、昆虫、陸貝(カタツムリ等)を食べる。
- 行動特性
- 単独生活を営み、恒常的な群れ構造は確認されていない。 秋に大量の木の実や種子を巣穴に蓄えて冬眠に入り、エゾシマリスの場合、冬眠開始時には出入口のトンネルを内部から土で塞ぐという特徴的な準備行動が報告されている。 冬眠期間中は地上での活動が完全に停止する。 4〜5月に求愛行動が見られ、春から夏にかけて出産、年1〜2回繁殖し産仔数は2〜7頭。
狩猟情報
- 猟期
- 北海道以外の地域では全国標準の狩猟期間である11月15日〜2月15日が適用される。 北海道ではシマリスは捕獲禁止となっている。 猟期・規制は都道府県により異なるため、必ず自治体の最新情報を確認すること。
- 主な猟法
- 小型の樹上性・地上性齧歯類であるため、わな猟(箱わな等)が中心。 銃猟を行う場合は空気銃が用いられる。 網猟による捕獲実態は確認できていない。
判別ポイント
タイワンリスとの違い:シマリスは体長130〜160mmと小型で背中に明瞭な縦縞模様があるのに対し、タイワンリスは頭胴長20〜26cmと大型で縞模様がない。 エゾシマリスとの違い:北海道においては、野生化したシマリスと在来のエゾシマリスは外見上の識別が困難であり、これが北海道での地域一律の捕獲禁止という法的措置の根拠になっている。
人との関わり
- 農林業・生活被害
- 本種による農作物被害の大規模な報告は確認できていない。 主な懸念は種子食害や小鳥の雛・卵の捕食等を通じた生態系への影響、および北海道における在来エゾシマリスとの交雑による遺伝的攪乱であり、農業被害額の大きいタイワンリスやヌートリアとは被害の性質が異なる。
- 利用
- 食肉としての利用は一般的ではない。 ペットとして流通していることが多く、野生化の主因もペット由来の逃走・遺棄とされる。
- 豆知識
- 北海道では、野生化したシマリスと在来のエゾシマリスの外見上の区別が難しいことを理由に、シマリス自体の捕獲が法令で禁止されている、狩猟鳥獣としては珍しい「地域限定禁止」の事例である。
出典
- 国立環境研究所 侵入生物データベース「シマリス」(取得日: 2026-07-04)
- 環境省「生態系被害防止外来種リスト」(取得日: 2026-07-04)
- 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04)
- 環境省 報道発表資料「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令について」(取得日: 2026-07-04)
猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。
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