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ノウサギ
被害情報あり
哺乳類 ・ 狩猟鳥獣

ノウサギ

野原を駆ける自由な風

基本分類

和名
ノウサギ(ニホンノウサギ)
学名
Lepus brachyurus Temminck, 1844
分類
ウサギ目(Lagomorpha)ウサギ科(Leporidae)ノウサギ属
狩猟鳥獣としての区分
獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種(獣類20種)の1種。 都道府県によっては捕獲が禁止されている場合や捕獲数が制限されている場合がある。 亜種サドノウサギ(佐渡島)は環境省レッドリストで準絶滅危惧(NT)とされるなど、地域個体群によっては保全上の注意が必要とされる。

生態

分布
本州、四国、九州および周辺の属島(佐渡島、隠岐諸島、五島列島、天草諸島、下甑島等)に分布する日本固有種。 亜種として L. b. brachyurus(九州・本州太平洋側・四国)、L. b. angustidens(本州日本海側)、L. b. lyoni(佐渡島、サドノウサギ)、L. b. okiensis(隠岐諸島)の4亜種が知られる。 愛知県の調査では1980年代には県内ほぼ全域に分布する「広域分布種」とされていたが、2010年の自動撮影調査では県内34区画中1区画でのみ確認されるなど、地域によっては近年著しい減少が報告されている。
生息環境
平野部から山地・亜高山帯にかけての森林、草原、河川敷などに生息する。
体サイズ
体重1,300〜2,500g、頭胴長430〜540mm、尾長20〜50mm、後足長130〜150mm、耳介長60〜80mmで、北海道に生息するユキウサギよりも小型。 腹面が白色である以外はほぼ全身が茶褐色で、耳の先端は黒くなる。
活動時間
主に夜行性で、昼間は藪や木の根元などで休む。
食性
夏は緑の草本類、冬は樹皮や枝先も食べる植物食性。
行動特性
群れを形成せず単独で生活し、オス・メスのペアも作らない。 ねぐらを中心に半径約400mの範囲で行動するとされる。 巣穴を掘らず、藪や木の根元など地表の隠れ場所を利用する。 警戒心が強く、遭遇すると素早く跳びはねて逃げるため観察が難しい。 逃げ足の速さは時速80kmともいわれ、これは近縁種ユキウサギの最高速度と同水準。 交尾期は2月〜7月、妊娠期間は約44日、出産は4月〜9月にかけて行われ、1回に1〜4頭を産む。 本州の東北部や日本海側の積雪地帯、および佐渡の個体群は冬になると耳の先端を除き全身が白化するが、積雪の少ない地域の個体群は白化しない。

狩猟情報

猟期
全国標準の狩猟期間は11月15日から翌年2月15日まで、北海道は10月1日から翌年1月31日までとされる。 地域によっては個体数減少を踏まえた捕獲制限が設けられている場合がある。 猟期・規制は都道府県により異なるため、必ず自治体の最新情報を確認すること。
主な猟法
ビーグル等の猟犬を用いた巻き狩り猟や、くくりわなによる捕獲が伝統的に行われている。 くくりわなは、クマ・イノシシ・シカ以外の獣類に対しては、輪の直径が12cmを超えるものや締付け防止金具を装着していないものの使用が規制されている。

判別ポイント

アマミノクロウサギ(特別天然記念物・国内希少野生動植物種・捕獲禁止)との違い:アマミノクロウサギは奄美大島・徳之島のみに分布し、ほぼ全身が黒褐色で耳・脚・尾が短く穴を掘る生活に適応しているのに対し、ノウサギは標準的な野ウサギの体型で茶褐色。 両種の分布は地理的に重ならないため実際の誤認捕獲リスクは低いが、免許試験・図鑑知識としては重要な判別点である。 ユキウサギとの違い:ユキウサギの方がやや大型(頭胴長500〜600mm)で冬に全身が白化するのに対し、ノウサギは地域限定的な部分白化にとどまるが、両種も分布が重ならない(本州・四国・九州 対 北海道)ため現場での混同リスクは低い。

人との関わり

農林業・生活被害
農作物やスギ・ヒノキなどの植林苗木への食害が報告されている。 かつては森林被害面積が1967年に61,000haに達するほど深刻だったが、2014年には71haまで減少しており、防除技術の向上に加え本種自体の個体数減少を反映している可能性がある。
利用
ウサギ肉は狩猟対象鳥獣の中でも古くから食用とされてきた食材で、脂肪が少なく淡白な味わいが特徴とされる。 フランス料理をはじめ海外でも一般的だが、現在の日本国内における流通・消費の規模については確認できていない。
豆知識
ウサギを「一羽、二羽」と数える慣習は、江戸時代に肉食が忌避される中で「これは鳥だ」とみなして食べたことに由来する、という説が広く紹介されている。 逃げ足の速さは時速80kmともいわれ、これは北海道のユキウサギの最高速度と同水準である。

出典

  1. ウィキペディア「ニホンノウサギ」(取得日: 2026-07-04
  2. 愛知県「生物多様性情報総合プラットフォーム」レッドデータブックあいち ニホンノウサギ(取得日: 2026-07-04
  3. 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04

猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。

被害と対策

ノウサギによる農業被害は全国の農村部で発生しており、農作物への食害と林業への被害が主な問題です。 野菜類(キャベツ、ダイコン、ニンジン等)への食害、果樹の新芽や樹皮への被害、牧草地での牧草食害が報告されています。 また、林業では植林した苗木への食害や、冬季の樹皮剥ぎによる成木の枯死も発生し、森林再生への影響が懸念されています。

年間被害額:約2.1億円データ年度:2023年度
出典:
農林水産省「野生鳥獣による農作物被害状況」林野庁「森林被害調査」環境省「鳥獣保護管理基本指針」
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