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キツネ
被害情報あり
哺乳類 ・ 狩猟鳥獣

キツネ

知恵と美しさの化身

基本分類

和名
キツネ(アカギツネ日本亜種。本州以南はホンドギツネ、北海道はキタキツネ)
学名
Vulpes vulpes(アカギツネ)。日本産亜種はホンドギツネ Vulpes vulpes japonica、キタキツネ Vulpes vulpes schrencki とされる。
分類
哺乳綱 食肉目(ネコ目)イヌ科 イヌ亜科 キツネ属
狩猟鳥獣としての区分
獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種の1種。

生態

分布
本州・四国・九州の各本島にホンドギツネが、北海道本島と北方領土にキタキツネが生息する。 沖縄県には自然分布しない。 近年の環境省調査では、近畿地方、九州、首都圏周辺での分布拡大傾向がみられ、北海道と沖縄県を除く広い範囲で生息情報が得られている。
生息環境
森林・農地・河川敷から都市近郊まで幅広い環境に生息する。 近年は都市部での目撃・出没も増加傾向にあるとされる。
体サイズ
ホンドギツネは頭胴長52〜76cm、尾長26〜42cm、体重4〜7kg程度(オス平均5.9kg、メス平均5.2kg)とされる。 キタキツネはホンドギツネよりやや大型で、頭胴長62〜78cm、尾長38〜44cm。 典型的なアカギツネは赤褐色の体色で、尾の先が白いことが多い。
活動時間
基本的に夜行性である。 ただし都市部に進出した個体では、日中の活動・目撃も増えているとされる。
食性
肉食に近い雑食性で、季節によって食性を大きく変える。 春はネズミ類やエゾシカの死体、夏は甲虫などの昆虫、秋はコクワやヤマブドウなどの木の実やサケ・マス類など、その時々で獲りやすいものを食べる。 ネコ科の仲間のように忍び寄って飛びかかる狩りのスタイルをとる。
行動特性
イヌ科の中では珍しく基本的に単独行動をとり、群れず小さな家族単位で生活する。 序列をつけたり大きな群れを形成したりすることはない。 交尾期(1〜2月頃)にはオスとメスが連れ立って歩く様子が見られるが、子が巣立てば基本的に次の繁殖期まで単独または小規模な家族単位で過ごす。 数ヘクタールから数千ヘクタールに及ぶ行動圏(縄張り)を個体ごとに維持し、家族以外は基本的に敵とみなす傾向があるとされる。 近年は都市部への進出が進み、餌付けや生ゴミへのアクセスをきっかけに警戒心を失う個体もいるとされる。

狩猟情報

猟期
全国標準の狩猟期間は11月15日から翌年2月15日までである。 猟期・規制は都道府県により異なるため必ず自治体の最新情報を確認してください。
主な猟法
銃猟およびわな猟(くくりわな・箱わな等)が中心である。 網猟は主に鳥類を対象とする猟法であり、キツネの捕獲実務では一般的ではない。

判別ポイント

タヌキとの判別が重要。 キツネは細身で脚が長くスマートな体型で、鼻先が尖り耳が大きく立ち、尾は長くふさふさして走行時のバランサーや防寒具として機能する。 足取りは直線的で爪痕が出にくい。 一方タヌキはずんぐりして脚が短い寸胴型で、丸顔に黒いアイマスクを持ち、尾は太くやや短めで、足跡は4本指で全体に丸く爪痕が明瞭。 社会性の面でもキツネは基本的に単独〜小家族単位、タヌキはつがい(夫婦)単位で生活する点が異なる。 なお、柴犬の毛色パターンを指す俗称としての「キツネ顔」「タヌキ顔」は犬の顔つきの分類であり、野生のキツネ・タヌキそのものの識別とは無関係である。 エキノコックス対策の観点から、識別の可否にかかわらずキツネの糞や死骸には素手で触れないことが推奨される。

人との関わり

農林業・生活被害
農林水産省が公表する全国の野生鳥獣による農作物被害状況の主要な統計には、キツネは個別の種として明示されていない。 北海道内の各市町村の鳥獣被害防止計画ではトウモロコシ・豆類・てん菜(ビート)などの食害が報告されているが、全国的な被害金額としての集計は確認できない。
利用
一般的な利用は確認できない。 臭みが強く食味の評価が高くないことに加え、エキノコックス感染のリスクがあるため、食用としてはほぼ流通していない。
豆知識
人畜共通感染症であるエキノコックス症(多包条虫症)の終宿主となり、国内では毎年14〜35名程度が患者として報告され、死亡例も確認されている。 イヌ科でありながらネコ科のように忍び寄って飛びかかる狩猟スタイルを持つ。

出典

  1. Wikipedia「キツネ」(取得日: 2026-07-04
  2. 環境省「狩猟鳥獣の法的な定義等」参考資料1(取得日: 2026-07-04
  3. 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04
  4. 環境省「タヌキ、キツネ、アナグマの生息分布調査の結果について」(取得日: 2026-07-04
  5. 環境省北海道地方環境事務所「キタキツネの多様な食性」(取得日: 2026-07-04
  6. J-STAGE 森林野生動物研究会誌「市街地に出没するキタキツネの実態とエキノコックス症」(取得日: 2026-07-04
  7. 厚生労働省「エキノコックス症」(取得日: 2026-07-04
  8. 北海道「エキノコックス症について」(取得日: 2026-07-04
  9. 環境省「狩猟鳥獣の保護を目的とした狩猟期間の制限、捕獲規制及び猟法の制限」参考資料2(取得日: 2026-07-04
  10. 農林水産省「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について」(取得日: 2026-07-04

猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。

被害と対策

キツネによる農業被害は主に果樹や野菜類への食害です。 ブドウ、メロン、スイカ等の果実への食害、トウモロコシや豆類への被害、イモ類の掘り起こし被害が報告されています。 また、養鶏場でのニワトリへの被害、都市近郊での生ゴミ荒らし、ペットへの影響も問題となっています。

年間被害額:約0.6億円データ年度:2023年度
出典:
農林水産省「野生鳥獣による農作物被害状況」環境省「鳥獣保護管理基本指針」
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