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アナグマ
哺乳類 ・ 狩猟鳥獣

アナグマ

地中の建築家

基本分類

和名
アナグマ(ニホンアナグマ)
学名
Meles anakuma
分類
哺乳綱 食肉目(ネコ目)イタチ科アナグマ属
狩猟鳥獣としての区分
獣類。 環境省が指定する狩猟鳥獣46種(獣類19種)の1種。 性別による捕獲制限は確認できず、雌雄とも狩猟対象。

生態

分布
日本固有種で、本州・四国・九州・小豆島の里山に分布する。 模式産地は長崎県。
生息環境
里山の森林・農地周辺に生息し、自ら地下に複雑な巣穴(セット)を掘って生活する。
体サイズ
全長70〜85cm程度(体長40〜60cm+尾長11〜16cm程度)、体重12〜13kg前後とされる。 イタチ科の中では際立って大型でずんぐりした体型。 資料により数値には幅があり目安として示す。
活動時間
主に夜行性とされるが、明確な記述は資料により限定的である。 11月下旬から4月中旬頃まで冬眠する(地域差があり、冬眠しない個体群も報告されている)。 この冬眠は浅い眠りとされ、完全な深い休眠ではないとされる。
食性
雑食性で、特にミミズやコガネムシの幼虫を好み、土を掘り出して食べる。 春〜秋にかけてはミミズや甲虫類を、夏〜秋にかけては木の実・果実(ノイチゴ・ビワなど)も多く採食する。 食性はタヌキとほぼ共通するとされる。
行動特性
自ら掘った巣穴は地下で複雑につながり、出入口が50個を超えることもある。 1個体だけでなく家族が何世代にもわたって同じセットを利用・拡張し、一部の巣穴は複数個体が同時に利用する。 母親がメスの子を1頭手元に残し、次の子育てを手伝わせる行動も報告されており、イタチ科の中では例外的に家族単位の社会性を持つ。 行動圏はオス成獣0.216〜2.568km²、メス成獣0.043〜0.694km²(山口県の報告ではオス平均1.58km²、メス平均0.44km²)と、テンやイタチに比べ狭く定住的。 逃げるよりもまず擬死(死んだふり)をして薄目を開けたまま動かずにいるという独特の防御行動を取る。 繁殖は春〜夏に交尾するが着床遅延があり、冬眠中の2月頃に着床、春に1〜3頭(平均2.3頭)を出産する。

狩猟情報

猟期
全国標準は11月15日〜2月15日、北海道は10月1日〜1月31日とされる。 猟期・規制は都道府県により異なるため必ず自治体の最新情報を確認してください。
主な猟法
巣穴に設置する箱わなが中心的な捕獲手段。 くくりわなも使用される。 かつては巣穴の出入口を1か所だけ残して他を塞ぎ、煙で燻り出して待ち構えて銃で捕らえる伝統的な猟法も伝えられているが、現代における主要猟法としての実態は不明。 網猟の実態も不明。 1970年代には年間約7,000頭が狩猟されていたが、1980年代後半には年間2,000頭以下まで減少しており、生息地の変化やアライグマとの競合が背景として指摘されている。

判別ポイント

アナグマ↔タヌキの判別が最重要(両者は同じ巣穴を共用することがあり、古くから「ムジナ」として混同されてきた)。 顔の模様: アナグマは目から頬にかけて縦方向の黒い線状の模様が入るが、タヌキは目の周り全体が黒くアイマスクのような模様になる。 尾: アナグマの尾は短く(10〜15cm程度)黒い縞が数本(5〜7本程度とする資料あり)入るが、タヌキの尾(20cm以下)に縞模様はない。 足跡: アナグマは指が5本で爪が長く爪跡が明瞭、タヌキは指が4本で全体に丸くネコに似るが爪痕も出る。 体型: アナグマは胴長でずんぐりし脚が短いのに対し、タヌキは脚がより長くイヌ科らしい体型。 テン・イタチ・ミンクとの違い: アナグマは体重10kg超と、テン(1〜2kg)・イタチ(0.1〜0.8kg)・ミンク(1kg前後)よりはるかに大型でずんぐりしているため、体格だけで容易に区別できる。

人との関わり

農林業・生活被害
イチゴ・スイカ・トウモロコシ・落花生など甘みのある作物やタケノコ、柿などの果樹への食害が報告されている。 竹林の増加が営巣に適した環境を広げ、地域によっては生息数の増加要因の一つとされる。 全国統計ではアライグマ・ハクビシン・タヌキ等を含む中型獣類の農作物被害額は年間十数億円規模とされるが、アナグマ単独の全国被害金額データは確認できていない。
利用
「ジビエの王様」とも称される高級食材で、脂の融点が低く上品な甘みを持つとされる。 個体数が少なく捕獲数が限られるため流通量は少なく、希少なジビエとして扱われる。 伝統的に「マミ汁」「ムジナ汁」として食されてきた歴史がある。
豆知識
昔話の「タヌキ汁」の正体は実はアナグマ(ムジナ)だったとする説がある。 タヌキとアナグマが同じ巣穴を使うことがあるため、古くから両者が混同されてきた名残と考えられている。 一家族が世代を超えて同じ巣穴を拡張しながら住み続けるため、非常に長期間(数十年単位)利用され続けているセットも存在すると考えられている。

出典

  1. 環境省「狩猟制度の概要」(取得日: 2026-07-04
  2. Wikipedia「ニホンアナグマ」(取得日: 2026-07-04
  3. 猪熊アラヌー「GISで学ぶ野生動物・鳥類の生態:アナグマ(Meles anakuma)の生態」(取得日: 2026-07-04
  4. マイナビ農業「アナグマ(ニホンアナグマ)を見つけたら?」(取得日: 2026-07-04
  5. マイナビ農業「狩猟できる期間は11月15日〜2月15日 冬はジビエの季節!」(取得日: 2026-07-04

猟期・捕獲規制・都道府県独自ルールは変更される可能性があります。実際の狩猟にあたっては必ず対象都道府県の最新の公式情報をご確認ください。

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